《猟罪図鑑~見えない肖像画~》あらすじと感想(ネタバレなし/あり)キャスト紹介。全てのレベルが高いサスペンスドラマ!似顔絵捜査官が主人公です

ラブミステリー,サスペンス,軍隊系

設定、展開、映像、すべてがレベルの高い、サスペンスドラマです。

猟罪図鑑~見えない肖像画~(2022 全20話 原題:猎罪图鉴)4.5

(キャスト)タン・ジェンツー、ジン・シージャー、チャン・ボージア、ジュー・ジアチー、他

スポンサーリンク

《猟罪図鑑~見えない肖像画~》あらすじ

「未来の姿を描けるとか。35歳の顔を描いて」女は子供の写真を画家・沈翊(シェン・イー)に渡す。

……7年後。北江(ベイジャン)分局の刑事たちは殺人捜査のためマンションに向かっていた。一方、似顔絵捜査官・沈翊は目撃者の証言をもとに犯人の似顔絵を描いていた。

刑事・杜城(ドゥー・チョン)は似顔絵の出来上がりを待たずに捜査を始める。「痩せて背が高い男はいるか」と聞きこみするが「ここには大学生が住んでいてそんな男は多い」と言われてしまう。その時、マンションの廊下を電話しながら通り過ぎた男に「部屋は?」と聞くと「8階」とすぐに返答があった。杜城はこの男を怪しいと思って追いかける。男は逃げだすが、杜城は追いつめて捕らえる。その直後、沈翊が描いた似顔絵がスマホに送られてきて、犯人と見比べるとそっくりだった。「絵を見てないのに良く奴だとわかりましたね」部下に言われた杜城は「通話中に質問され反応できるか?」と答える。

沈翊は警察学校で美術教官を務めていたが、この日、北江分局への異動を知らされ嬉しそうにする。その後、北江分局の406室に入った沈翊。杜城がそれを知って怒っていると、部屋から出てきた沈翊は「久しぶり」と杜城に言う。実は406室は杜城が尊敬していた上司・雷一斐(レイ・イーフェイ)隊長が使っていた部屋だった。7年前、沈翊が女に頼まれて描いた子供の成長した似顔絵は雷隊長で、その絵がもとで彼は殺されてしまったのだった。7年前、取り調べに呼ばれた沈翊は依頼してきた女の似顔絵を描けと言われるが、どうしても思い出せなかった。

「7年間女の顔すら描けなかった奴がよく来れたな」杜城は沈翊を責める。「二日前殺人犯の顔を描いた」沈翊は答える。「俺が見るとでも?」「君の力になりたい」沈翊は穏やかに言うが「断る。荷物をまとめて失せろ」と杜城は去っていき…。

スポンサーリンク

ネタバレなし感想

1話からとても面白かったです。話の設定、展開、映像の作り方等、ドラマ制作陣(脚本家)の頭の良さと才能を感じました。

似顔絵捜査官である沈翊が目撃者の証言や映像から【色々と推測】して絵を仕上げていく様が新鮮で圧巻でした。

7年前の雷一斐殺人事件がもたらした沈翊への影響。依頼主の女の顔を思い出せない葛藤や心の傷も見応えありました。芸術家肌の沈翊と、武骨で行動派な杜城の変化していく関係性も良かったです。

スポンサーリンク

ネタバレあり感想

※ネタバレしています。ご注意ください。

私が一番好きだったのは失踪少女事件

ドラマの出だし、沈翊が分局内を歩きながら周りの人をデッサンで考えるのを見て、職業病ってあるよなぁ~似顔絵捜査官だとこうなるんだろうなと漠然と思いました。でも今改めて考えると、7年前の【女の顔】を思い出せないトラウマから周りの人を観察して記憶に少しでも留めるようなクセがついたのかなとも思いました。

このドラマのなかにはいくつもの事件が描かれていましたが、私が一番好きだったのは序盤の失踪した少女・暁玄(シャオシュエン)の事件です。学校のデッサン用の頭蓋骨が暁玄のものにすり替わっていた年月を、生徒たちのデッサン画の変移を調べて分かったり、暁玄の日記の描写から想い人を推測して似顔絵にしたり、【絵】を効果的にストーリーに使っていて上手いなと思いました。

暁玄が日記で想い人の登場する日の天気だけでなく性別も嘘を書いていたのは驚きました。思春期時代にありそうな、助けてくれたボーイッシュ女子(瞿藍心/チュー・ランシン)に理想を重ねることは分かる気がしました。想われていた瞿藍心が「【自分】を見てほしい」と思ってスカートをはいて暁玄に会いに行ったら「彼じゃない」と暁玄は拒否反応を起こし、理想の男性に作り上げてしまっていた暁玄は「どうして私を傷つけるの。台無しにした」と泣いてカッターで自ら命を絶ち…。この二人の何とも言えない関係性が切なくて心が痛かったです。暁玄を埋めた場所に道が出来ると聞いて、現在美術教師になった瞿藍心が暁玄の頭蓋骨を自分の近く(デッサン用の頭蓋骨)に持ってきたという真相も良かったです。

その他の事件も凄かった

殺人犯の仲間の男の車に乗ってしまった沈翊が、杜城に殺人犯に会ったことを感付かせるため、電話で画集のページを言って作品名から冷静に知らせたのは賢かったですね。このエピソードハラハラしました。杜城が追いかけてきて、必死に「俺の仲間は!?」と何度も男に叫ぶシーン良かったです。もう仲間って思ってたのね(意外と早いと思った笑)。沈翊生きててよかった…。このとき、沈翊は溺れたせいで7年前の女の顔を思い出しかけ…。心のクリニックに行ったり沈翊が悩んでる様子を見て、やっぱり相当7年前のことは心の傷になっているんだろうなと思いました。

DVされていた奥さんと愛人が共犯だった事件も驚きました。こんな関係の二人が共犯になるんだと。画像の奥さんの瞳に住んでいるマンションの文字が映っていて居所がバレたっていうのは、最初私もちょっとおかしいなと思いました。瞳に都合よく映る?って。でもそれはやはり合成で、わざと旦那に知らせる手段だったという真相には、なるほどと思わされました。

沈翊が小さい頃に絵を教えてもらっていた先生の自殺事件。これも見応えありました。先生は息子に大金を要求されたため沈翊の絵を真似した贋作を売っていて…。でも実はお金を要求する動画の息子は別人(AIで作ったもの)だったとは!驚きました。他の詐欺事件の動画を集めて表情筋から基本の人物を想像して沈翊は似顔絵を描いて…。本当に裏の裏をかく展開が面白かったです。父(先生)と折り合いが悪く、沈翊が描いた父の絵を最初は普通に売ろうとしていた息子だけど、事件の犯人が捕まり父の愛情を理解し、最後に父の絵が欲しいと言ったのも感動的でした。

7年前の黒幕・犯人は…

杜城がMを突き落とした?事件は最初戸惑いました。証拠隠滅しまくってたし…。私の脳では杜城の行動の理由がわからなくて、どういうこと???となっていましたが、全ては黒幕をあぶりだすため油断させるための行動だったんですね。杜城がMと会おうとした日の経緯、出来事を沈翊に話し、沈翊がそれをすべて絵にしたのは圧巻でした。皆が納得して杜城の冤罪が晴れて良かったです。黒幕があのセキュリティー会社・銅城の陳社長だったとは。確かにドラマ序盤からやけに出てくるなとは思ってましたが…。

沈翊と陳社長のチェスシーンや、会場の舞台にいる陳社長に向けてパスワード変更を誘導するシーンなどハラハラ見入ってしまいました。街中にキーワードを散りばめて、沈社長の潜在意識を作用させて沈翊の思惑通りのパスワードに変更させるって凄すぎますね。

スポンサーリンク

ラストは?その他

沈翊と杜城の関係性も良かったです。杜城は最初沈翊に反感を持っていたけれど、沈翊の実力だけでなく苦しみも理解し、仲間だと認めていき、沈翊の理性的な推理力なども学び、良いほうへ影響されましたね。沈翊もファミリーと言われるような警察官の仲間たちができて、7年間の悪夢も終わって良かったです。雷隊長はこの二人を正しい道(警察官)へ導いたということに改めて感慨深く思いました。

ラスト…。ゾクゾクしました。まさかこんな終わり方とは。あのフードの人物は一体誰?沈翊より体格良い気がしたから沈翊以外の誰か?でも自画像の下に別の絵があることを知らないとあんなに上手く目の部分だけ切り裂くことは出来ないような気もするし…。沈翊にはもう一つの顔があるっていうこと?トラウマとか闇とかだけでなく、二重人格とかそういう可能性もあるのかな…?続編、第二シーズン、待ってます!!!!(まだ続編は制作されていないようですが、今後されるはず…?)

ちなみに今回の撮影場所は中国福建省南部の廈門(アモイ)市だそうです。沈翊と杜城が佇んでいた最後の建物、海の景色が印象的でしたね。そして、エンディング曲は沈翊役のタン・ジェンツーが歌っています。

キャスト紹介

沈翊(演:タン・ジャンツー)

杜城(演:ジン・シージャー)

1986年11月10日上海生まれ O型 身長189cm 体重77kg 上海戯劇学院、大阪芸術大学舞台表演研究所卒業

(出演ドラマ)赤子之心、199爱、摩天大楼(摩天楼のモンタージュ)、河神Ⅱ(河神Ⅱ-Tianjin Mystic-)、加油!网球王子、他

小さい頃から水泳を始め、2002年第12回上海大会の100m自由形で3位入賞。 2003年全国少年水泳選手権大会100メートル自由形で銀メダルを獲得。2005年上海戯劇学院演技科本科に入学し、2008年ドラマ《加油网球王子》で正式に芸能界入り。

コメント

  1. ねりぽぐ より:

    柚子様

    ご無沙汰しております。
    何時も楽しく拝見させて頂いています。

    しっかり、きっちり、どっぷり嵌りました、猟罪図鑑(笑)。
    数話視聴後、youtubeで全話公開している事を知ったのですが、どうしても正しい翻訳で観たくて我慢のCS視聴でした。
    柚子さんがお書きになっている通り、題材がかなり攻めている印象でした。ジェンダー問題(学校の事件)とか個人情報の取り扱い問題(銅城、陳さん事件)とか「今の中国で検閲通るんだ・・・」と感心しながら観ていました。
    ロケ地は廈門市という所なんですね。ドラマで「北江市」となっているので北にあるのかと思いきや結構暖かそうな場所だな~と思ったり。お姉さんが杜城の事を「阿城」呼びしていましたが、「阿〇」は南/「〇〇←名前を二回重ねる」は北、と聞いた記憶があったような無いような。
    あまり、現代ものを観る機会が無いのですが建物や風景のスケールは流石でした。特に杜城が冤罪掛けられた建設中ビルのスケールと来たら!吹き抜けの大きさも相まって(日本では防火法上絶対認可下りない構造)不気味さMAXでゾクゾクしました。
    そして、なにより沈翊と杜城の関係が・・・おかしい(いい意味で)。
    科捜担当の女性に「私を褒めている様で彼(沈翊)を自慢してる」と言われる杜城
    銃装備現場に危ないから沈翊を行かせたくないとゴネる杜城
    呑み過ぎた沈翊のグラスを奪って、無理するな的に残りのお酒を飲み干す杜城
    恩師の死に打ちひしがれて自宅を訪ねる沈翊に黙って付いて来る(その時点で事件性無)杜城
    (↑沈翊の性格上、絶対「付いて来て」とは言わなさそうなので、杜城が勝手に来てるはず(断定←オイ))
    「(絵が)描けないなら来い」と沈翊の手を握って・・・違った、掴んで現場に連れ出す杜城
    「危うく(二人で)心中する所だったなw」とか沈翊に言っちゃう杜城
    そして、最後は何故か赤を背景にツーショット・・・結婚式かっ!?(心の叫び)
    挙げたらキリが無いのですが、視聴中終止「おかしいって!」と心で突っ込みながら観てました・・・最高か!
    続編、是非とも希望です!キャストさえ変更しないでくれたら贅沢は言いません!!(必死)
    中国のミステリーは結構続編匂わせて終わる事が多いと見掛けたのですが、本当でしょうか?
    大唐でも花海棠でも特に引っ掛かる事がなかったタン・ジャンツーさんに今更嵌る(真っ先に柚子さんの記事を再読しました)か!?と自分で自分に突っ込んだのですが、猟罪図鑑は「タン・ジャンツーの正しい使い方」との感想を結構見掛けて笑いました。
    ジン・シージャーさんは、摩天楼を視聴したはずなのに全く何の役だったか思い出せない自分に絶望です(涙)。

    • 柚子(ゆず) 柚子(ゆず) より:

      ねりぽぐ様 こんばんは。コメントありがとうございます!猟罪図鑑、youtubeで観れたんですか!知らなかったです。
      サスペンス系は特に正しい翻訳で観たいですよね。ちょっとでも違った翻訳だとドラマが変わってしまいそうですし…。

      個人情報の取り扱い問題(市民をカメラで監視するという)が出てきたときは、私もこれを題材にしていいんだ!?中国の検閲通るんだ!?と驚きました。
      中国では実際行われていることですもんね。

      廈門市、今調べたら台湾の向かい側だったんですね!暖かそうです。建物や風景のスケールは毎回色々なドラマで凄いなと思わされますね。
      スタイリッシュなビルから昔ながらの古い町並みまで揃っていて。実際、私も中国の青島市にだけ行ったことがあるんですが、
      大きいデパート(田舎の広いイオン以上に大きい感じ?)があったと思ったら、その100メートルもしない隣にまた同じような大きなデパートがあって…
      国土が広いから贅沢に建物を作れるんだなと感心しました(笑)ちなみに一つのデパートに行ったら別のほうのデパートには行かないよ~(疲れるし)と思いました(笑)

      名前の呼び方、勉強になりました!阿〇パターンと〇〇パターンありますよね。私は個人が自由に使っているのかと思っていたんですが、地域によって変わる感じなんですね。

      沈翊と杜城の関係、本当にちょっとあやしいブロマンスって感じでした。深読みしようと思えばできて。杜城のほうはけっこうすぐに沈翊を気に入って、大事にしてましたね。
      (すごくわかりやすいキャラ)。ねりぽぐさんがあげてくださったエピソードたち、私も「ん?」って気になりました(笑)いい年して?女性に興味がなさそうな感じもあやしいですね(笑)

      中国のミステリー、私は意外と続編やってくれるイメージでした(実際はわからないのですが)。例えば【ダイイングアンサー法医泰明】の続編はメインキャストが変わりつつもシリーズ3か4くらい?まで
      作られてますね。あと、【陰陽法師】シリーズは主役一緒でシーズン3くらいまであったり。(←ミステリーではないかもしれないですが)でもこれらだけだったり…??

      ジン・シージャーさん、摩天楼の女主役(ヒロイン)の彼氏役で出ていたようです。タン・ジェンツーの正しい使い方(笑)なるほどです。猟罪図鑑の彼はとても合っていて良かったですね。

  2. ねりぽぐ より:

    柚子様

    何時もお世話になっております。ご返信ありがとうございます。

    廈門市、台湾の向かい側!不謹慎ながら沈翊の恩師が亡くなった海もとても綺麗で印象的でした。ドラマで出て来る場所だけなのか、中国って海沿いの開発が綺麗ですよね。
    私は中国行った事が無いのですが、100mおきに大きなデパートって凄いですね(笑う)。普通競合しそうで避けますが、人口が多い中国ではそもそも取り合うパイが大きいから問題ないとか?(謎)
    あやしいブロマンス!正にです!!。話数が進むにつれて「これ・・・BLが原作?」と疑い出し、思わず百度百科(勿論、翻訳サイトを超駆使)検索してしまいました。そして、全く違いました(笑う)。
    相変わらず中国語が分からないのでどの程度正確な翻訳をれているのか私には分からないのですが、この作品、訳の言葉のチョイスも絶妙なんですよね。杜城が「心中」って言いだした時には、私の知らない心中の意味が世界の何処かにあるのか?と速攻でググりました(←バカ)。
    1話で敵意むき出しなのに転げ落ちる様に沈翊を信頼する様になる杜城の可愛い事と言ったら!まぁ、本人も終盤で「(沈翊を責めたのは)殆ど八つ当たり」みたいな事言ってましたが。
    沈翊もちょいちょいおかしくて、杜城のお姉さんに「理解の深さは過ごした時間の長さじゃない」とかマウント取ったり、お姉さんと(名目上)杜城のお見合い相手の目の前でイチャイチャする(ガラスに髭書いたシーン)し。本当、色々な意味で凄かったです。最高オブ最高。
    中国ミステリー、S3とか4まである作品があるんですね!超期待!!
    LaLaの宣伝観ると、再生回数凄かったり幾つか賞をもらってるみたいなので、続編制作悲願です!キャストさえ変えないでいてくれればっ(←しつこい)。
    ジン・シージャーさんはヒロインの彼氏役!・・・全く思い出せない・・・(遠い目)。

    • 柚子(ゆず) 柚子(ゆず) より:

      ねりぽぐ様 こちらこそいつもコメントありがとうございます。

      中国の海沿い綺麗ですね。中国ドラマから垣間見える景色は本当に興味をひかれます。
      青島(チンタオ)の場合ですが、夜は海岸近くの街並み(ビルやモニュメントなど)がライトアップされ、
      派手でダイナミックで凄かったです。青島在住の友人が言うには「観光客の多い時期だけここまでライトアップする」とか(笑)

      猟罪図鑑、BL小説や漫画が原作なのかな?と思いますよね。出来のいい話なので本格小説原作?とも思ったり。私も百度百科で調べました(笑)
      そして、原作はなくてオリジナルの脚本のドラマだと知り驚きました。脚本家の方すごいですね。

      ガラスに髭かいてましたね!沈翊もすっかり心を許したようでした。このペア本当に良かったですね!
      実は最初はジン・シージャーさんのことはもっとイケメン使えばいいのにとか思ってしまったんですが(ごめんなさい)
      やはり背が高くて見栄えがして役にもあってるしサングラス姿もキマッていてカッコよかったので、この俳優さんで良かったと思いました。
      続編制作してほしいですね!

タイトルとURLをコピーしました