因果応報がテーマの物語。それぞれの登場人物の生きざまが面白かったです。
大唐流流~宮廷を支えた若き女官~(2021 全55話 原題:骊歌行)
(キャスト)リー・イートン、シュー・カイ、タン・ジェンツー、ホン・ヤオ、ウー・ジアイー、ワン・イージョー、ホー・フォンティエン、他
《大唐流流》あらすじ
唐の時代。魯国公府の長男で【長安一のどら息子】と悪名高い盛楚慕(せい・そぼ)は陸琪(りくき)と喧嘩し負けたため、父に情けないと言われ怒られていた。姉である韓王妃が止めに入り、喧嘩の理由を問うと、燕回楼の妓女を奪い合ったと楚慕は答える。「苦労して財産を蓄えたのにこいつのせいで台無しだ」と父は槍を持って楚慕を追いかけまわす。
その後、友人・杜寧(とねい)がいとこの結婚の祝福で広州に行くと知った楚慕は、父上の怒りは収まらないだろうし広州に一緒に行くと言い出し「何より長安の女子には飽きた。次は広州の美女を味わおう」と笑うのだった。
広州に着き、杜寧のいとこの陳家で食事をごちそうになる楚慕。そこで陳夫人から、結婚相手・傅柔(ふじゅう)の話を聞く。【傅柔は広州一の美女だったが、傅家は何年もの間縁談を断ってきた。高官も断られたのにうちの求婚を受け入れたと思ったら、結納金に5000貫も渡せと言ってきた】と。
そんななか「こんな紙が貼られてた」と侍女が慌ててやってくる。その紙には【陳家の息子が嫁を迎える。しかし花嫁は傷物である】と書かれていて、怒った陳夫人は花嫁の輿の到着直前に正門を閉める。陳夫人は仲人に「門を通る前に純潔を証明しろ」と言い、輿のなかの傅柔は「受けるわ」と悠々と出てきて、調べを受け、純潔が証明される。このとき団扇で顔を隠したままだった傅柔の顔が見え、楚慕は一目惚れをする。周りの観衆もこんな美人は見たことがないと騒ぐ。直後、傅柔は石柱を見つけて走り出す。しかし石柱に頭をぶつける寸前、楚慕は彼女を抱き止め…。
ネタバレなし感想
女主役・傅柔のキャラが新鮮でした。宮中などで起きた困難や陰謀を解決していく方法が穏便!エイラク(※瓔珞〜紫禁城に燃ゆる逆襲の王妃〜)とは違うなぁなんて思いながら観ていました。他のキャラも【善人と悪人】だけではない部分が描かれていたのが印象的でした。
話としては特に恋愛面が面白かったです。私の場合、意外と?主役カップルよりも脇役キャラの恋の行方のほうが惹きつけられました。脇役女性陣のほうが波乱万丈だった気がします。
登場人物たちに因果がめぐってくる様に感動したり、考えさせられたり。女主役がまっすぐ生きる姿は素晴らしいと思ったけど、物語的にパターン化してるというか、意外性が少なく感じた面もあったかな。
その他。絵面の色彩が素敵でした。特に衣装のオレンジ色の使い方が他のドラマには無いように感じました。衣装の形状も腰下あたりで帯を巻いていたり、髪型も頭の両脇にヒョウタンみたいな形?で結っていたり。昔の絵図で見たような気がする姿形が良かったです。
ネタバレあり感想
※ネタバレしてます。ご注意ください。
傅柔が穏便に波風立てないように物事を解決するやり方はとても良いなと思いました。自分に悪くした相手を助け、その結果、相手から真実を教えてもらえたり、助けてもらえたり、傅柔の道が開けていく感じが良かったです。
太子と陳吉の友情も良かったです。太子妃は色々腹が立つ存在でした。太子妃の出産時に赤ちゃんか太子妃のどちらかの命を選ばないといけない状況になったとき、傅柔の提案【太子妃を驚かす】により出産がスムーズにできるという…このエピソードはどうなの?って思いました。(そんなことでこの深刻な状況が打破できるなんて…)
太子妃が韓王府からのなつめ餅(毒追加して)を妹に食べさせて殺したせいで、韓王妃が処刑されることになったのは無念すぎました。最後、韓王とも会わせてもらえず…。可哀想だったし、冤罪なのに簡単に命が奪われる様に腹が立ちました。
覆水は皇室の不幸が自分の慰めになるという理由で、友だと言ってくれていた太子に毒魚を食べさせましたが、直前にやめるかな?と思ったのでちょっと驚きました。でもその後、解毒薬を飲ませたのにも驚きました。人の心があったのね!太子はこの件の記憶を忘れてしまったけど、私は後々記憶を思い出して覆水と対峙するのかと予想していたんですが、そういうのなかったですね。覆水が死ぬときも別に太子のこと思い出したりしていなかったのはちょっと拍子抜けでした。(もっと友情が出来上がってたかと思ってた)。
拍子抜けと言えばもう一つ。生前の皇后からもらった【赦】の刺繍ハンカチ、盛楚慕やもっと大物を救うために使うのかと思ってたので違って意外でした(笑)
最終回。傅柔は毒を飲まされ…という展開はハラハラ。盛楚慕が抱き起こしても動かないし…。まさか死んでる?嘘でしょ?あれだけ他人を助けて良い行いを重ねてきたのに誰もこの一大事に恩を返してくれなかったの?…と。でも生きててホッとしました。楊柏が恩を返してくれたんですね。他人を助けることが自分を助けることにつながるという因果。このドラマを観て、因果について色々考える機会を持ち、自分も少しでも傅柔のように出来たらいいなと思いました。
【恋愛面】キャラ別ネタバレ感想
↓※ここから下は私が印象に残った恋愛面についてキャラごとに書いていきます。
【傅柔と盛楚慕】
盛楚慕は出だしは軽薄な感じで、嘘をついてイイ男ぶって傅柔に好かれるのがちょっと嫌でした。その偽りがバレて嫌われたあとは、イイ男になるために身につけた能力(武術とか)が残ったのは結果的に良かったけど(笑)その後、厳子方にさらわれた傅柔を洞窟から助け出した時は素敵!と思いました。(単純)
韓王妃が亡くなったとき「一言合図をくれたら死ななかった」とか「周王に心を奪われたんだろ」とか言って傅柔に殴られたり、黒幕だった太子妃のところへ行こうとする盛楚慕を傅柔が止めたとき、剣を傅柔の首元に当てたり、けっこう盛楚慕はダメな面が描かれてた気がします。(二人を冷めた関係にするためもあるだろうけど)。そのせいか、私はどちらかというと周王のほうが好みだったかな。でも盛楚慕のやんちゃでおどけたような表情は可愛かったし、韓王を守って髪を振り乱して戦う姿はカッコ良すぎでした!
【傅柔と周王】
周王の美人図のエピソード良かったです。傅柔が梁王に目をつけられたらと心配したり「お前がいればこの世が輝く」と言ったシーン。こんなセリフ言われてみたい(笑)父である皇帝が他の者に皇位を譲るのを察知して、私には期待していないようだと嘆いたときは可哀想でした。盛楚令が捕まり、助けに行った盛楚慕が崖から落ちた後、傅柔は周王を疑って叩いたのはビックリ。何で疑う?最終回も傅柔と盛楚慕の婚礼を知り、なんとも寂しい最後で可哀想になりました。周王の幸せはどこに…。
【傅音と陸琪】
この二人の物語が一番心打たれました。母を殺した放火犯が陸家の者だと知った傅音は復讐のため陸家の侍女になり…。傅音が他の男に襲われ、潔白を証明するため陸琪に体を委ねたときは、この二人に愛が芽生えるなんて思わなかったです。悪人としか思えなかった陸琪にも優しいところがあり、放火が陸琪の命令と知った傅音はそれを信じたくなくて…。仇を愛してしまったという展開は泣けました。
傅音は陸琪に全てを話したとき「ずっと憎んでた」と言ったけど、兄が陸琪に刃をむけたときかばっていて、やっぱりまだ愛してるんだと切なかったです。【悪因は悪果を生み、逆もまたしかり】。二人の物語は本当にその通りだったけど、陸家へ復讐に向かう兄を止めた傅音なので、ここで悪因は終わって赤ちゃんと共に幸せになれると良いなと思いました。
【陸盈盈と梁王】
陸盈盈が他の男と関係があったと分かった梁王は暴力など酷い扱いをしてきたけど、陸盈盈は「悪人の中にも純粋さがある」と言ったり、夫を助けようと考えてたり、お人好しだと自分を評してたけど驚くほど素敵なキャラでした。「夫婦なら苦楽も生死も共にするのよ」という陸盈盈の言葉は感慨深かったです。
謀反に加担した梁王に信頼を教えたくて陸盈盈は自首をして…。梁王は毒を飲む前、謝罪文に陸盈盈を陥れる嘘の内容を書いて宮廷から追放させましたが、これは妻を生かすための梁王の愛情だったのは感動しました。陸盈盈の真心がきちんと届いたんですね。
【陸盈盈と厳子方】
厳子方はワタシ的に掴みどころのないキャラでした。傅柔をずっと想い続けるのかと思いきや、何とも思っていなかった陸盈盈が梁王に酷い扱いされているのを知って気になっていったり。悪そうな表情してるから悪い奴っぽいイメージだったけど、最後は覆水を裏切って盛楚慕と手を組んでいたり。陸盈盈を船に閉じ込めて今後は宝さがし?何だかんだとまだ陸盈盈は厳子方を想ってるのかな?二人が幸せになれると良いなと思います!
キャスト紹介
傳柔(ふじゅう):李一桐(リー・イートン)
盛楚慕(せいそぼ):許凱(シュー・カイ)
周王(しゅうおう):檀健次(タン・ジエンツー)
厳子方(げんしほう):洪堯(ホン・ヤオ)
歆楠公主(きんなんこうしゅ):呉佳怡(ウー・ジアイー)
1995年12月1日黒竜江省生まれ 身長166cm 体重48kg 中央戯劇学院卒業
(出演ドラマ)影帝的公主、天舞纪(天舞紀~トキメキ☆恋空書院~)、那江烟花那江雨(煙雨降る後宮~偽りの女官の復讐~)、烈火军校、九州缥缈录(九州縹緲録〜宿命を継ぐ者〜)、凤囚凰(鳳囚凰 〜陰謀と裏切りの後宮〜)、他
陸琪(りくき):何奉天(ホー・フォンティエン)
1992年2月20日安徽省合肥市生まれ B型 身長182cm 体重65kg 中央戯劇学院卒業
(出演ドラマ)尚食、传家、皓镧传(コウラン伝〜始皇帝の母)、凤囚凰(鳳囚凰 〜陰謀と裏切りの後宮〜)、他
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