《陳情令》のスピンオフ映画2作の感想です。それぞれ脇役だったキャラが主役となっています。特に《乱魄》を観ると《陳情令》本編がまた興味深くなるかと思います。
※注意《生魂》の読み方が分からなくて勝手に「しょうこん」かと思っていたんですが違うかもしれません(というかたぶん違います…。URLは気にしないように)
《生魂》陳情令之生魂
扶風城の町にやって来た“鬼将軍”こと温寧。かつて不夜城と呼ばれるほどにぎわっていたこの町は、なぜかすっかり荒れ果てていた。聞けば、夜に明かりをともすと悪鬼に襲われてしまうため、人々は日が暮れると真っ暗な家に閉じこもるようになったという。その夜、温寧が火をともして悪鬼を待ち構えていると、同じく妖気を追ってきた藍思追が現われる。2人は、扶風城を襲った異変の真相をつかむべく調査を開始するのだが……。
https://www.wowow.co.jp/detail/172602
生魂(原題:陳情令之生魂)2019年 84分
ユー・ビン(温寧)、ジェン・ファンシン(藍思追)、ワン・イーフェイ、ガオ・ハン、フェー・ロンロン、他
感想(ネタバレ含む)
まず温寧や思追といった懐かしい顔ぶれが出てきて嬉しい気持ちになりました。こういうのがスピンオフの醍醐味ですね。時期的には《陳情令》最終話で魏無羨たちと別れて数か月~数年後ってことでいいのかな?こうやって温寧は事件が起こるたび誰かと再会して過ごしてるのかもって想像できて良かったです。今回は夜狩をしていた思追と再会しましたが、こうやって何作もスピンオフ作れそうですね。
84分の映画という短い時間のなかでも意外な真相、愛憎劇が描かれていて楽しめました。悪人だと思っていた周子殊が実は蕭情の姿絵を持っていた…それだけでなく蕭憶が身分を偽っていたというのに驚きました。魏無羨はやっぱり出てこないのかな、残念だなと思っていたら、終盤【言葉】での登場がありましたね。「お前は常人とは違うが愛し愛される価値がある。生ける屍のわけがない」って陳情令本編で魏無羨がかけてくれた言葉を思い出すシーンはなんだか感動的でした。陰鉄…最後に温寧が手に入れましたが、温寧なら欲望や私心に飲み込まれることはないだろうなと思える終わりかたでした。
ちなみに…蕭情は美しくて善人の女性という役だと思うんですが、演じる女優さんが今まで悪女ばかり演じてたイメージの方だったので(霜花の姫、夢幻の桃花など)もしかして悪い人?とか疑ってしまったり、いまいち共感できなかったりしたのが残念でした(笑)顔が意地悪顔なんですよね…。
《乱魄》陳情令之乱魄
聶(ニエ)氏の霊廟である洞窟・祭刀堂が盗賊に荒らされた。宗主の聶明ジュエは、書画や音楽ばかりでろくに刀の修業をしない弟の聶懐桑に聶氏としての自覚を促すべく、強引に連れ出して祭刀堂へと向かう。だが堂内が荒らされたことで封印が破れ、周囲には魔物が出現していた。危険な洞窟の中で封印の修復に奔走する兄弟と門下生たち。その中で懐桑は、初めて“刀霊”について、そして一族に代々伝わる秘密を教えられることに……。
https://www.wowow.co.jp/detail/172603/-/01
乱魄(原題:陳情令之乱魄)2020年 83分
ジー・リー(聶懐桑)、ワン・イージョウ(聶明玦)、チョウ・ザンジン(金光瑶)、他
感想(ネタバレ含む)
聶懐桑の物語です。陳情令本編の裏側でこんなことがあったんだと、とても興味深かったです。そして兄の聶明玦との絆も感じることができて良かったです。
事なかれ主義でちょっと姑息なイメージもあった聶懐桑ですが、祭刀堂で人を生贄にして刀霊を祭ってることを知り激怒したり、自分を助けてくれ、代わりに谷底へ落ちていった兄をすぐさま助けに向かう姿など思いのほか男らしかったです。一度入って戻った者はいないという場所では冷静に観察して出口を見つけたり、ポテンシャルの高さを感じさせるエピソードでした。
最後、亡くなった兄の魂(かな?)が邪曲の音律が入っていたことを教えてくれて、自分が笛で吹いた曲のせいで兄がおかしくなったのだと気づいたとき…金光瑶に対する憎しみが芽生えたのが凄く納得できました。映画の最後の終わり方、あの聶懐桑の目で終わるのがとても良かったです。陳情令本編では聶懐桑のやり方を姑息と思ってしまった部分もあったけど、どんな手段であれ金光瑶への恨みを晴らせたのだから良かったと思いました。
それにしても虎視眈々と復讐を考えてたんですね。邪曲のことは魏無羨たちより前に知ってたってことかな?剣技ができない聶懐桑はそれ以外の方法で目的を果たしたわけで、それはそれで凄いですね。
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