輪廻転生物語の前編です。24話で短めですがドラマチックでした。
美人骨~前編:周生如故~(2021 全24話 原題:周生如故)
(キャスト)アレン・レン、バイ・ルー、他
※1話あらすじとキャスト紹介はこちらです。
ネタバレなし感想
美しくて悲しい物語でした。もし輪廻転生の後編がないドラマだったら私は悲しすぎて立ち直れないと思いました。
陰謀が渦巻くなか、師匠・周生辰(ジョウション・チェン)と弟子・崔時宜(ツイ・シーイー)のお互いの立場をわきまえたストイックな恋愛模様と、二人の行く末が印象的でした。
脇役・仲間たちも魅力的で、戦いで切磋琢磨するだけでなく恋愛面もあって良かったです。私は特に和尚(軍師)が大人で良いキャラだと思いました。
ネタバレあり感想
※ネタバレしてます。ご注意ください。
出だし、時宜が失語症で手話をしてたけど、師匠(周生辰)は分かってる様子なのが凄いと思いました。勉強したのかな?4話で師匠が襲われたときにとっさに時宜が話せるようになったのは意外と早い気がしました。もっと引っ張るのかと…。
雍城が包囲されて時宜が救援に向かったあと、師匠も助けに向かい、2人が無事を確かめるように抱き合ったシーンではもう【両想い】っていう感じがあふれていて良かったです。江陵では師匠の知人の元へ二人で身を寄せ、そこで色々茶化され、しまいには一つの部屋で一つの寝床だけを与えられ…という展開は楽しすぎました(笑)。外で聞き耳立てられてるし(笑)。
時宜が「相愛の二人が事情で結ばれなかったとして忘れようにも忘れられない時は?」と聞いたシーンでは、師匠は【生涯妻子はいらぬと誓ったことを後悔しないかと問われた。後悔しようとも全ての選択には意味がある】と答え…。時宜と師匠・周生辰の想いは結ばれなくても意味がある、ということを暗に言っているようで切なかったです。
広凌王が皇后に時宜との婚姻を再度願い出た展開はショックでした。婚姻話が消えてホッとしてたのに…。色々な権力のしがらみからそれを受け入れなければいけない時宜…。唯一一緒になれない相手が師匠だというのが可哀想でした。一緒にいたいだけなのにと泣く時宜の気持ちが凄く分かって泣けました(涙)。
西州を出発する日、時宜は師匠の額から鼻筋を撫で「美人骨…。どれ程に特別なのか。宗室までもが憚り天下の人々も称える」とつぶやきましたが、【美人骨】という言葉はタイトルになっているだけあって、ちょくちょく出てきましたね。【小南辰王(周生辰)だけは唯一骨と皮を兼ねし者なり。帝王の骨より貴重】と民が噂してたり。終盤、師匠が【骨を削ぐ】という残酷な処刑をされたのは【美人骨】だから…?
終盤・ラストは…
師匠が広凌王と金栄の罠にかかり、謀反を起こしたという濡れ衣を着せられ、処刑されるなんて思ってもみなかったです。(普通のドラマだとどうにかして助かったりすると思う)。男主役がこんなふうに亡くなるドラマって観たことない気がします。これはやっぱり輪廻転生の後編があるからこそだなぁと思いました。
時宜が師匠の死を知って泣く姿は、演じるバイ・ルーちゃんの演技がとてもグッときて…観ている私も泣けました。愛する人がこんなふうに殺されるなんて、私だったらこのあとどうするだろう?時宜はどうするんだろう?色々想像をめぐらせました。広凌王を殺す?それとも…?と。
ラスト。時宜は婚姻の日、母や近しい人たちが逃げる道を用意してくれていたのに、迷惑はかけられないとそれを拒否し…。宮門に上り自ら身を投げ…。衝撃的で悲しいシーンでした。でも【あなたに嫁ぐ】と言って、師匠・周生辰のもとへ行った行為でもあったので、そう考えれば悲しいことではないのかな。来世でまた師匠と出会い、そして結婚できますように…!
コメント
柚子さん
何時も楽しく拝見させていただいております。
もう、全日本切ない選手権があったら10年連覇優勝のレジェンド、名切ない界があったら終身名誉会長で良い位切ない作品でした。
古今東西今までありとあらゆるラブストーリーが散々作られて来ている昨今「切ない」の一本刀で乗り込んで来て、ここまで到達できるのは感心を通り越してもはや感動でした。
まさか、この歳になって感動とか悲しいではなく「切ない」で泣く日が来るとは思いませんでした(笑)。
薬を塗る時に素肌に絶対触れない決心が見えるくらい指をピンと伸ばしてたり、時宜の婚姻がショック過ぎて時間も忘れる程考え込んだり、抱き付かれも髪を撫でる事が精いっぱいだったり、抱きしめられても抱き返せなかったり、・・・切ないKingの周生辰。
「多くも望まない高望みもしない、唯一の願いは彼のそばにいることだけ―でも、それが一番難しいって」辛すぎるし、離れていても師匠の志を胸に、民のために広陵王を支え生きると決めたのは健気すぎます、時宜(涙)。
南辰王府の面々&時宜のママを含めた家族&平秦王、周りの人が皆とても良い人なのも更に涙を誘いました。
恋愛感情ダダ漏れの二人なのに何故か拙僧以外南辰王府の人たちが気付いてないっぽいのが微笑ましかったです。脳筋かっ!!(笑)
広陵王、余命3年だから生きる糧だった時宜と結婚したいのは1億歩譲って理解できます。ただ、周生辰を殺す必要あったのかと。そもそも民の事を考えれば絶対殺しちゃいけない人だし、志が無さすぎる。
3年なんてそれなりに国を治めてれば周生辰が反旗を翻す事もないし(周生辰は完全に専守防衛型ですよね)、もう皇帝なんだから金栄なんか適当にスルーしておけばよかった(何だったら、闇に葬っ・・・以下、自重(笑))。たった3年だし(←しつこい)。
時宜の心が欲しかったのかもしれないけど、それこそ金貞児の言う通り周生辰を殺したと知ったら死ぬまで許してくれないし、もっと考えて行動しろと小一時間問い正したい!
でもきっと、でもそれが柚子さんも仰ってるタイトルの「美人骨」なんですよね。突出した能力と容姿を持った選ばれし者はどう足掻いてもそこからもたらされる運命に抗えないというか・・・勝手に周りが警戒し、敵意を向ける。僅かな野心すら持たず、平穏でささやかな暮らしを望んでも周りが放っておいてくれない、みたいな。
もしかして、周生辰の最大の悲劇は「美人骨」だった事なのかもと思いました。見始めた頃は「美人骨」を良い意味でしか捉えて無かったのですが、物語が進むに連れ物事には表裏が必ずあると思い知った気がします。
時宜のママも「民は英雄の功績を称えるけど、最後も見届けたい」って言ってましたね。現代の日本社会みたい(笑)。
任嘉伦君、ビジュアルがイマイチ嵌らなくて作品は観ずに来たのですが(馭鮫記は1話だけで挫折してしまいました)、感情を殆ど表さない言葉少なな周生辰を演じ切ったのは本当に尊敬します!初めて観たけど演技上手!!
柚子さんの記事で任嘉伦君が卓球選手だったと知り、「そうそう!何か、中国の卓球選手に居そうなビジュアルなんだよ!!」と思ったのは私だけで良いです(笑)。
時宜の成長がちゃんと分かる程、子供から女性になる過程を演じきった白鹿さんも流石!どんどん綺麗になっていくのは目の保養だったし、その最終形が婚姻衣装の美しすぎる最後だと思いました。
救いが無いまごうことなきBEでしたが、物語としては前編だけでも本当に美しく、切なく素晴らしかったと思います。
後世編でHEって東宮と同じですね。東宮はかなりコメディー寄りな上、超短かったけど。
後半も楽しみです!・・・頭が切り替え出来るか心配ですが(笑)。
感想コメントありがとうございます!
輪廻転生の後編がある+美しすぎるバッドエンディングという宣伝によって
悲しい、切ない物語なんだろうなと予想はつきながらも、思っていた以上の【切なさ】に驚かされた作品でしたね。
狙ってもその通りにはいかないことって多々あると思うんです。お笑いで視聴者を笑わそうとしても空回りになって全然笑えないとか(笑)。
でもこの《美人骨》は切なさで視聴者を感動させようとか泣かそうとかいう狙いどおりに出来上がっているのが
ねりぽぐさんのおっしゃる通り【感心を通り越してもはや感動】でしたね。
傍にいるだけが望みなのにそれができないってこんなに切ないんだと思い知らされました。
時代劇ドラマにたまにある権力が欲しいとか正妻になりたいとかそんな望みではなく、素朴な望みなのに…。
そして、ねりぽぐさんのコメントで特になるほど!と思わされたのは【周生辰の最大の悲劇は「美人骨」だった事なのかも】の部分で
確かにそうですね。美人骨と唯一言われるほど素晴らしい素質や才能(外見も)があったばかりに、それに敵意を持つ人々もでてくるし
警戒もされ…。平穏な暮らしはできない存在になってしまっていたんだと思うと悲しいことです…。
アレン・レンは私も最初は童顔すぎて好きではなかったんですよね…。(いつのまにか好きな俳優さんの一人になっていましたが)。
卓球選手だったので特に演技大学も出ていないので演技は自己流なのかな?それなのに上手で凄いですね。
バイ・ルーちゃんは元気少女から時宜のような大人しめで清楚なキャラまで演じられるのが凄いですね。(しかもそれぞれ似合って見える)。
東宮に後世編があるんですか??知らなかったです!←最近中国ドラマ情報を追えていなくて…。
美人骨後編は別ドラマかのように平和ですが、あの二人が来世で出会っているという事実だけでも嬉しい気持ちになれる作品です!
柚子さん
何時も丁寧なお返事頂き、ありがとうございます。
東宮の後世編はYTを漁って見つけたのですが、10~15分×3話位で夢オチ?風でした。自動翻訳が効かなかったので私はザックリしか内容を理解できませんでしたが、中国語を嗜む柚子さんなら問題ないと思うので、お時間と興味があれば是非!
柚子さんもお書きになっている周生辰の本音を聞かれた時の返答は最後の時宜への血の手記に繋がったと思うと、本当に切ない(涙)。「全ての選択は・・・」って、実は誰よりも自分自身に言い聞かせて来て、でもやっぱり時宜(への選択)の事は後悔がどうしても消せず、最後の最後に本音として伝えたのかと思ったら、やっぱり・・・切ない(←要、語彙力)。
誰にも迷惑を掛けたくないと死を選んでしまった時宜ですが、最愛の人の敵を取る事も出来ず一族を犠牲にして生き永らえる様な人じゃないですよね。そんな人生、時宜には死ぬより辛い。それは、周生辰が敵の手に落ちた理由も同じで。離れていても周生辰は民のために戦っていると思えるから自分も志同じに民のために尽くす妃として生きようと身を引き裂かれる思いで決心したのだから、その絶望は計り知れないです。
どんなに辛くても微塵も“自分のために生きよう”とならない二人の共通した精神性が師弟や男女の絆&情を超えた尊さで眩しく美しく、切なかったです(←だから、語彙力・・・)。
と、色々御託は並べていますが、実はよく分かっていない部分がありまして(笑)。
二回目の婚姻を伝えた時、同時に太后が「二人の事は色々世間で言われている。私は一笑に付しているけど、時宜を養女にすれば?」(意訳)みたいな事を周生辰に伝え、それを時宜に話した際彼女は拒否しましたよね?その流れが未だに理解出来ていません(汗)。恐らくその後の流れから太后が二人は両想いな事は気づいていたのだと推測はできますが、
① 太后的には、広陵王と時宜の結婚は出来れば阻止したかった
(=漼氏との結婚は広陵王の権力増大に繋がるので)
② 周生辰的には、養女にすれば広陵王との結婚は拒める&一生時宜を手元に置ける
(周生辰がそれを望んでいたかは別として)
③ 時宜的には、養女になる“=今後どんな状況になっても夫婦にはなれない”から受け入れられない
って事で良いのでしょうか?物凄く重要なポイントな気がするのに未だに分からなくてモヤモヤ・・・いや、イライラしています(笑)。
先日、某食べ物同性CPドラマで(今の日本では同性婚が認められないので)財産分与のため養子縁組を申し出た恋人に「(あなたとは)家族になりたいけど、親子になりたい訳じゃない」と拒否するシーンがあり、勝手に周生辰&時宜にシンクロさせていたのですが、そもそもその解釈で合っているのか・・・?と(笑)。
後編は1話しかまだ観ていませんが、出会って少しずつお互い惹かれていく物語を想像していたら、既に両想い前提で、その展開の速さに先が読めません(笑)。
超蛇足ですがLaLa視聴組なので後世の周生辰、その後時間放送のマリアージュ・ブランの陽華にタイプが似ている(=ミニマリストのヲタク気質)気がします(笑)。
ねりぽぐさんの深い考察や解釈には頭が下がる思いです。
今思い返すと(たぶん一年位前に視聴したので多々忘れていて申し訳ないのですが…)美人骨の主役二人は本当に【共通した精神性】がありましたね。
国のためや周りのために自分の想いを押し殺して、人格が素晴らしかった分、さらに切なさが際立ちました。
二人が幸せになる方法はなかったのかな?と今更思ったりもしますが、周生辰は敵の手に落ちるしか道はなかったですよね…。
(ああいう展開で自分だけ逃げるとか無理だったし…。物理的にも無理そうだったし)。
太后の【養女】提案の件は、時宜が周生辰の養女になっていたら、広陵王との婚姻は拒めたんですかね??(このへんドラマをきちんと覚えていなくてすみません…)
時宜が広陵王の妻になるなら、周生辰は養女にしたら?そんなに大事なら…と、それぞれ形は違うけど時宜との関係が戸籍的にでも繋がれるわよ、みたいな太后のおせっかいなのかなとも
思ったんですが、間違った解釈してたらすみません。
もし広陵王との婚姻を拒めるなら、周生辰の養女になる選択もありな気がしますが、でも、周生辰の【子供】として傍にいたいんじゃない、そんなのになるくらいなら
広陵王との婚姻を選ぶということなのかな…?
時宜としては、周生辰の養女になっても何の得もなく、逆に今後どんな人生展開になっても婚姻できない関係になるだけなので拒否したのかな?とも思いました。
後編の出会い方は意外でしたね。その後もあんな風に交流していたら女友達だけで終わるわけなく…恋人になる前提ですよね(笑)。
確かにマリアージュ・ブランの陽華に似たタイプですね!俺様でなく控えめな感じで。こういうタイプの男主役も良いですね。
東宮の後世編、youtube探してみます!
柚子さん
私の愚問でお手を煩わせ、本当に申し訳ございませんでした(汗)。
「そんなに大事なら…と、それぞれ形は違うけど時宜との関係が戸籍的にでも繋がれるわよ」めちゃくちゃ腑に落ちました!
どうしたって広陵王との婚姻は避けられないけど、養女にすれば公的&正式な繋がりができるって事ですよね。本当に目から鱗です!!
戸籍上親子になれば嫁いだ後も堂々と支援や協力も出来るし。思い返せば、「(軍を挙げて時宜を中洲まで送り届けたのは)南辰王軍は今後何があっても時宜の後ろ盾になると知らしめるため」って二師姉が言っていました!!(←3歩歩くと全てを忘れる女)
そう見ると、あの二人のやり取りの重み・・・(涙)。
“太子妃が養女=皇宮との縁が強くなる”のは明白で。今まで民の安寧のため戦火の火種にならぬよう、頑なに中洲(皇宮)との距離を取って生きてきた周生辰が“時宜が望むなら”とその信念を人生で初めて曲げたって事ですもんね。
周生辰はどれだけ時宜が大切だったのかと、そしてその想いを全部理解した上で断った時宜の尊さと来たら・・・切ない。(←増えない語彙力)
婚姻にしか視点がいかなかった自分の愚民&小市民っぷりに情けなくて、違う涙が(笑)。
柚子さんのおかげで万事解決し、今まで2膳しか食べられなかったご飯がやっと5膳食べられるようになりました!
長々とお付き合い頂き、本当にありがとうございました!とりあえず後編に集中します!!(礼)
いえいえ、おかしなこと言ってるかもしれないと思いつつの返答コメントだったので
解決したと言ってもらえてホッとしています(笑)。
周生辰は皇宮と距離を取って生きてきましたもんね。なので、養女の提案を受け入れることは【その信念を人生で初めて曲げたって事】でもあると
ハッとさせられました。時宜が望むならそうしようと考えたということは本当に深い愛情を感じますね。
ドラマって色々考察してみるといっそう楽しめますね。こちらこそ考察の機会をいただけてありがたかったです!