第54回金鐘奨で史上最多の14部門にノミネートされて6部門で受賞をしたドラマです。とても見応えがあって考えさせられるドラマでした。
悪との距離(原題:我們與惡的距離 全10話 ※BS版24話 2018台湾)
(キャスト)宋喬安(ソン・チャオアン)役 / 賈静雯(アリッサ・チア) 劉昭國(リウ・ジャオグオ)役 / 温昇豪(ウェン・シェンハオ) 王赦(ワン・シャー)役 / 呉慷仁(ウー・カンレン)、他
《悪との距離》あらすじ
2年前、映画館で大量無差別殺人を犯し台湾を震撼させた李暁明(リー・シャオミン)。最高裁判所は控訴を棄却し彼に死刑判決を言い渡す。精神鑑定を拒否する暁明に裁判所は強制鑑定を命じるが彼は非協力的で今もなお当時の動機と精神状態は不明だった。暁明の弁護人 王赦(ワン・シャー)は暁明の犯行の動機が分かれば悲惨な事件の再発が防げるという信念を持っていたが、世間の人々は【税金で何年生きさせるんだ、くそ弁護士】などとネットで罵声を浴びせる。
一方、宋喬安(ソン・チャオアン)は大手テレビ報道局の副局長。李暁明に小学生の息子を殺されて以来、酒と仕事に溺れる日々で夫と娘との仲は悪化していた。そんな彼女の下で働くことになった李大芝(リー・ダージー)。隠して過ごしていたが実は李暁明の妹だった。ある日、大柴は宋喬安の息子が兄の事件の被害者だと知り…。
ネタバレなし感想
全10話でこの内容!設定、話、俳優の演技、それぞれ見応えがあって考えさせられて完成度が高いと思いました。台湾のドラマということもあり、私が知っている俳優さんが一人もいなかったんですが、金鐘奨で史上最多の14部門にノミネートとか6部門で受賞をしたドラマと知って興味を持ち、観たら納得のドラマでした。
深刻な設定や苦悩があって、それぞれの立場からの正義があったり、私は軽々しく意見(感想)を書けないな…なんて思いながらこのドラマを観ていました。重い気持ちになったり、悲しくなったり…のなかにも、人生の再生、家族の再生という希望も描かれていて、とても感動的で良かったです。
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ネタバレあり感想
※ネタバレしてます。ご注意ください。
印象的だったことから書いていきます。まず應思聡(イン・スーツォン)役の演技が凄かったですね。精神の状態ごとに顔つきや全身の演技、雰囲気が変わっていて、本当に病気の人にしか見えなかったです。姉、思悦(スーユエ)の泣き演技もリアリティーがあってすごく良いなと思いました。思悦と大柴がお互い大変な身の上のなか支えあう友情も良かったです。 笑う門には福来る!ハハハって、こうやって生きていきたいものですね。
結局、李暁明の動機は何だったのか。王赦の言う通りきちんと解明してから刑に処してほしかったです。今後の再発防止のためにも。私としては場所が映画館で、大きなことをしてやると言っていたということで、妹、大柴の初デートが影響してたのかな?とか想像しましたが…。(違う映画館でその日初デートだったので)あと、犯人の家族がここまで追い込まれるものだと思っていなかったので驚きました。マスコミも家族の顔を隠さず雑誌に掲載って…台湾ではそうしてるのかな?
宋喬安の気持ち…子供を亡くす母親の気持ちって想像するのも辛いです。でも最終的には夫と娘との仲も修復されていき、最後新しい職場で大芝とまた出会い、吹っ切った気持ちでお互い関われるんだろうなと思いました。
王赦の奥さんの早産からの子供が亡くなり…っていう流れも心痛かったです。王赦の人柄も変わっていったけど最終的には元に戻って良かったですね。
最後に。思悦に新しい恋のお相手が出来て気持ちがほんわかしました。二人が出会った時から予想できたけど(笑)初恋の味、甘い蜜って(笑)弁護士と精神科医の二人の後ろ姿で終わるのは、この職業の方にこれからも頑張ってほしいとか今までの敬意とかを込めてるのかな?と思いました。皆、希望のある人生になりそうで良かったです。
《悪との距離》タイトルも考えさせられますね。悪って単なる悪い人、犯罪者との距離というわけではなく、自分が《異質》と感じる存在との距離かなと私は考えました。
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