長安 賢后伝(2019 全61話 原題:长安诺)
(キャスト)チョン・イー、チャオ・インズ、ハン・ドン、ハン・チョンユー、チャオ・ウェンハオ、他
《長安 賢后伝》あらすじ
梁王朝は末期、盛州・西斉・雍臨の三つの国に分裂した。雍臨の群主・賀蘭茗玉(がらんめいぎょく)は兄に草原一の暴れ馬だと言われるほど活発な少女で、大祭司に「将来皇后になる」とも言われていた。
草原にいた茗玉の前に西斉の者たちの行列が通る。茗玉の姉・賀蘭綰音(がらんわんいん)を粗暴で強情な西斉の王子の嫁にするため来たのだった。
祖父である雍臨王に「私は嫁ぎたくありません」と泣いて訴える綰音。しかし雍臨王は【仕方ないことなのだ。かつて先代の王と西斉王が通婚の契約を結んでいたから数十年良好な付き合いが出来た】となだめる。それでも綰音は泣き崩れ、茗玉は「何か方法があるはず。私が考える。この運命に打ち勝ってみせる」と、縁談を破談にする方法を考え…。
ネタバレなし感想
チョン・イー君演じる承煦(しょうく)の一途な想いが印象的なドラマで、私は承煦の幸せを願うばかりでした。
序盤から承煦とヒロイン・茗玉(めいぎょく)の関係はドラマチックで、この二人の恋愛の行方に引き込まれました。想像以上に波乱万丈で過酷で泣ける展開で見応えありました。
【国】の安定や繁栄、ときには誰かのために何かを犠牲にしなければいけない登場人物たち。人生の悲哀を感じ、幸せについて考えさせられました。
それにしても…チョン・イー君と茗玉役の女優さん同じ歳なんですね。茗玉役のほうが年上に見えて、ちょっと姉と弟に見えてしまいました。私は茗玉役の女優さんのことを知らなかったんですが、本当に美人で中国女優界でもトップレベルなんじゃ?と思うほどでした。
ネタバレあり感想
※ネタバレしてます。ご注意ください。
承煦が切なすぎる
承煦…序盤から最期まで切なすぎでした。ここまで一途で不憫な役って、今まで観た記憶がないです(涙)。
両想いだったのに、理由はあれど茗玉が王・簫承睿(しょうしょうえい)との婚姻を了承してしまい…。戦から生きて戻ってきた承煦と茗玉はどうなるのか、展開に釘付けでした。茗玉は承煦のもとへ行こうとしたけど、皆の命のことを考え留まることにし…。茗玉の全てを諦めた表情に泣けてしまいました。
自暴自棄になった承煦が茗玉が婚姻を了承した理由(弟・承軒の命を救うため等)を知り、納得し、ずっと茗玉を愛し守り続ける姿に心打たれました。茗玉が敵に捕まったときは、王は茗玉の命を最優先にできなかったけど、承煦は迷わず最優先にして「私のために危険は冒さないと約束して」と茗玉が言ったら「無理だ。君を守ることにもう慣れてしまった」と答えた承煦はカッコよすぎでした。
承煦が王になることを望んでいたのは母を殺され皇位を奪われた復讐だけでなく、茗玉を手に入れられると思っていたからだったのは驚きました。まだまだ茗玉と一緒になることに未練があったんですね。承煦が茗玉の息子・啓元を人質にとって皇位を得ようとしたやり方はどうかと思ったけど、承煦との将来はないと考えていた茗玉の態度に「君の心はなんて冷酷なんだ」と泣く承煦に胸が痛くなりました。男のほうが純情とかいうけど、本当に承煦は一途すぎて…。
承煦は茗玉のために王の座を諦めたり、戦いで勝って領地を広げたり、色々しているのに、茗玉のことは手に入れられないのが可哀想でした。茗玉の手を触れようとしたら避けられるし…。終盤は地位や権力、何もかも失くした承煦が不憫でした。それらと引き換えに茗玉は一緒に来てくれることを決心してくれたけど、結局国の危機と皇太后が倒れたことにより、二人は一緒に行くことが出来なくなるし…。運命って酷すぎますね…。
最期は茗玉の「啓元を守って」という言葉を思い出し、自分を殺そうとした啓元を助け…。馬車のなかで死ぬ間際、意識の中で茗玉と会えて幸せそうに亡くなったけど…最後の最後まで可哀想だなと思いました。茗玉は間に合わないし…(涙)。のちに、茗玉は病床で「私はあなたを待たせたまま、最後まで…ごめんなさい。天下のためにあなたと二人の将来を犠牲にした」と言っていましたが、本当に犠牲にしたなと思いました。茗玉は茗玉で承煦を愛していたとは思うけど…。
茗玉の息子・啓元は色々あったけど無事想い人と婚姻できて幸せになれるかと思いきや、そうではなかったのが意外でした。人生は分からないものですね。もしかしたら、承煦と茗玉がどこかの時点で二人で生きることができていたとしても幸せになったとは限らないのかも、と思いました。
王・承睿は複雑な人
簫承睿は良い兄貴分といった感じだったけど、自分が王になる経緯では酷かったですね。でも茗玉の心が自分にないと気づいても穏やかに話していて大人だと思いました。王妃たちを悪いようにしてないし政治面もちゃんとしてたのは意外でした。
承煦と茗玉の関係を知ったあと、王は茗玉の気を引くため、綰音を使って駆け引きし…。綰音は純粋に王を好きだったので可哀想でした。でも綰音は茗玉を殺そうとしたり酷い人間に変わってしまいましたね。
皇后は「陛下という方が分かりません。愛情深いのか無情なのか…」と言ってたけど、本当にその通りで、茗玉と綰音に対する愛情にしても、承煦に対する感情にしても、複雑な内面を抱えていて分かりにくいキャラでした。「この世に手に入らぬものなどないと思っていた。だが実は何も得てはいなかった。滑稽なことよ。笑止千万だ」と、綰音が亡くなった寝室で泣きながら叫んだときは、王の悲哀みたいなものが良く分かって心に響きました。抜け殻のようになった王は茗玉に「朕にささげたのは愛ではなく忠義だと(言ったが)、それもよい。そなたにとって朕は名君であるのだ」と言いましたが、王の言う通り、忠義をささげられたことは、ある意味それも愛で、こういう形の夫婦でも良かったんじゃないかと思いました。
その他
茗玉と侍女・蓁児の関係も良かったです。長い期間、ずっと寄り添い支え続けた蓁児。【大赦で粛啓翰が牢から出てきたら一緒になるべき】と茗玉に言われても、茗玉のいるところが私の家だと答え…。女同士の友情に感動しました。
キャスト紹介
簫承煦:チョン・イー
賀蘭茗玉:チャオ・インズ
1990年12月16日山東省烟台市生まれ 身長169cm 体重48kg 中央戯劇学院卒業 スリーサイズ88/62/89cm
(出演ドラマ)你是我的荣耀(プラチナの恋人たち)、琉璃、绝代双骄(絶代双驕 ~マーベラス・ツインズ~)、大明风华(大明皇妃)、新白娘子传奇(新・白蛇伝〜千年一度の恋〜)、他
- 2005年(15歳)のとき「我的城市我代言形象大使活動」大会に参加しトップ8に入ったのを皮切りに、2007年迪纳杯青年歌手大会で「二等賞」受賞、2008年ドラマ《白话聊斋》の俳優選考会に参加し、最終的に「主演女優賞」を獲得など数々の賞を受賞する。
- 2010年、高校を卒業した後モデルとして活動を開始し、バラエティ番組やタレントショーにいくつも参加し、多くの賞を受賞する。その後、中央戯劇学院演技科へ。
- 2011年中国と韓国が共同制作した現代ドラマ《就让咖啡有点甜》で正式に演技の世界へ。
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