《夢華録(むかろく)》あらすじと感想(ネタバレなし/あり)キャスト紹介!身分の差に苦悩する恋愛と強く生きる女達のロマンス時代劇

宮廷古装劇,恋愛と策略系

恋愛部分だけでなく身分制の苦悩なども描かれていて見応えありました。

夢華録(むかろく)(2022年 全40話 原題:梦华录)4.0

(キャスト)リウ・イーフェイ、チェン・シャオ、他

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《夢華録(むかろく)》あらすじ

皇后にまつわる流言をひろめた男が皇城司で尋問され【皇后は貞操を失い、長年皇帝をだまし続けた。証拠の絵もある】と話す。目の前に立つ、生き閻魔と称される指揮使・顧千帆(こせんはん)の存在に気づいた男は怯え、絵は銭塘(せんとう)にある、と白状する。

その後、司使・雷敬(らいけい)は顧千帆に「皇后は賢く徳があり長年陛下を支えておられるが、朝廷にいる清流派たちは目の敵にする」と話す。「例の絵は都に持ち帰りますか?それとも処分を?」顧千帆が聞くと「当然持ち帰るが内密に事を運べ。宮中の私事ゆえ関わる者は少ないほどいい」と指示する。

銭塘県にて。趙盼児(ちょうふんじ)は許婚・欧陽旭(おうようきょく)が科挙の結果の知らせを寄越さず、自分の元に戻って来ないことを気にしていた。隣人・孫三娘(そんさんじょう)は「今度こそ合格するわ」と趙盼児を励まし、二人は切り盛りする趙氏茶舗に入っていく。

趙氏茶舗に顧千帆が訪れる。配下の賈江(かこう)は「茶がお好きだと聞き、銭塘一の店にご案内を。菓子も上手いし主は美女で言うことなし」と話す。顧千帆は茶を運ぶ趙盼児を見つめる。「あれが美女か?」「田舎娘と都の佳人を比べてはいけません」賈江は答える。「衛英(えいえい)とやらの供述によれば【夜宴図(やえんず)】は両浙路転運判官の楊知遠(ようちえん)のもとにある。入手はまだか?」顧千帆は聞く。「絵の意味も分からず偶然手にした様子。盗み出すことも試みましたが隠したようで見つかりません」賈江は答える。

そのとき、役人に追われた賊が店に押し入り「近づけば皆殺しだ」と剣を趙盼児の首元に当てる。役人に刀を置け、馬を5頭用意しろと賊は命令する。「殺さないで。銭ならあるわ」趙盼児は銭のある場所へ案内する途中、奥に隠れていた三娘に「銅盆を」と叫ぶ。三娘は奥から銅盆を投げ、後ろにいた賊に当たる。その隙に趙盼児は自分の横にいた賊を持っていたお盆で殴りつける。女二人で粉や包丁や壷を投げ、賊に応戦する。その姿を興味深そうに眺めていた顧千帆は、賊の剣が趙盼児に迫ったときに彼女の腕を引っ張り助けるが…。

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ネタバレなし感想

ヒロインの生き様が素敵でした。身分の差があるヒロインと男主役の恋愛は色々な困難があり、悲しく思ったり、それを乗り越えていく姿に感動したりしました。

賤民】等の生まれながらに見下されるような身分の辛さも丁寧に描かれていて【身分】って何なんだろうともどかしくなりました。それを覆したいというヒロインの強い思いがとても良かったです。

【夜宴図】が物語の最初から最後まで効果的に使われていて、上手にまとめられたお話だと思いました。

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ネタバレあり感想(恋愛面)

※ネタバレしてます。ご注意ください。

最初は趙盼児をあれが美女か?と言ったりしてた顧千帆ですが(笑)クールな彼がどんどん趙盼児を気になり、好きになっていく姿が良かったです。

趙盼児が無実の罪で牢獄に捕らえられ水攻めにあったとき、他人を装いつつ助けに来た顧千帆。「あなたには関係ない」と趙盼児が言ったら「関係なら大ありだ。(略)他人を装ったのは君が私の弱点だと敵に悟らせないためだ。知られたら大変だぞ」と顧千帆が素直に自分の気持ちを明らかにしたのは少し驚きました。でもこの後「私は元賤民よ。私たちの身分には雲泥の差がある」と趙盼児は涙を流しながら顧千帆に帰るよう言うのが切なかったです。今は人気茶舗の店主で商人だけど…身分にそんなに差があるんですね。

どんな立場や心境で趙盼児と向き合うか考えを決めたら来る】としていた顧千帆が「君のことが好きだ。君を娶り妻とし、死ぬまで連れ添う」と言いに来たのは感動的でした。「あなたは朝廷の官吏で私は元楽妓。わかってる?」と確認する趙盼児に「自分の決断に後悔しない」と顧千帆は答えたあと枝の花を贈り、趙盼児が受け取ったあと、顧千帆が嬉しそうに趙盼児を抱き上げてくるくる回ったシーンは可愛すぎでした(笑)。

でもすぐ雷敬に趙盼児との関係を問われ、趙盼児を守るために【遊び】だと答えた顧千帆。それを聞いてしまった趙盼児に守るため言ったと説明しても信じず…。「君を最も見下すのは他の誰でもなく君自身だ」顧千帆のこの言葉は本当にその通りだと思いました。劣等感の塊だから顧千帆を信じられないと言う趙盼児に顧千帆は家の証文と蔵の鍵を渡し「私の家財のすべてを君にやろう」と言い…。顧千帆の本気は凄い!(笑)。趙盼児もやっと顧千帆の愛を信じてくれましたね。

その後、顧千帆の父が昔、趙盼児の父を殺した(顧千帆の父が弾劾した結果、流刑になり死んだ)ことを知った顧千帆は悩み…。そのうえ大けがで意識不明になり趙盼児と音信不通。趙盼児は捨てられたと思ってしまい可哀想でした。顧千帆が目を覚ましたあと趙盼児の無事を確かめに来たけど、馬車の中から出てこず…。気丈な趙盼児がこらえ切れず泣くシーンはぐっときました。顧千帆、婚姻できないからってこんな別れ方酷い。きちんと趙盼児に経緯を話してほしいと思いました(怒)。

趙盼児は自分の父と顧千帆の父の因縁を知ったあと【父は罪だと知りつつ民を救うため門を開けた。顧千帆の父は職務を全うしただけ】だから気にしないと言っているのに、この事実は重いとか顧千帆がうじうじ言いだしたときは少しイライラしました(笑)。でも顧千帆は趙盼児を抱きしめ、やり直すことを決意してくれて良かったです!

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ネタバレあり感想(友情と身分)

出だしの宋引章(そういんしょう)が悲惨で驚きました。体は虐待され傷だらけだし、首に布の縄付けられて木にくくられてるし…。夫の周舎(しゅうしゃ)怖すぎ…。引章を襲った周舎を顧千帆が叩きのめし色々優しくしてくれたので、引章が顧千帆を好きになっていく気持ちはすごく分かりました。なので、顧千帆が趙盼児を好きで二人は両想いだと引章が気づいたときはちょっと可哀想になりました。引章は顧千帆関連のせいで趙盼児と三娘と関係が離れたときもあったけど、女三人で永安楼の主になって色々協力して深まる友情がとても素敵でした。

落ちぶれた欧陽旭が世話人を殺したり、趙盼児や顧千帆を殺して出世しようとしたり怖かったです。趙盼児が欧陽旭を訴える決意はすごく共感できました。「賤民の女子だからと言って善悪も区別せず、人は欧陽旭の側に立つ。私たちがどんなに有能で善良でも落ちぶれた女子だと人は見下す。(略)これからは自分の名誉挽回のために訴える。欧陽旭を法で罰してやる」こう語った趙盼児を心から応援しました。

陛下が手に入れた夜宴図は本物だったのに趙盼児が贋作だと示唆したから皇后は難を逃れたのだと顧千帆は黒幕だった皇后に伝え…その結果【女子の杖刑以下の罰は銭で免除できるもの】と聖旨が出され、趙盼児のために皆がお金を出してくれる展開になったのは感動しました。賤民だったからままならぬつらさは分かると皇后を思いやった行動がのちにこういう結果に結びつくのは凄いですね。

欧陽旭の悪事を暴いた大手柄に対して、陛下から望みをかなえると言われた趙盼児は「楽師や職人、奴婢の家に生まれた者を賤民である苦しみから解き放ってください」と頼み…。皇后や陛下の侍従も頭を下げて頼む姿に感動しました。良賤制を改めることは天下の大業で代々の帝王が徐々に進めなければならないと陛下は言いつつも「今後、教坊司の優秀な楽師や職人に内侍省翰林院の職を授ける(※賤民ではなくなるということ)」と第一歩を踏み出してくれて本当に良かったです。

このドラマは恋愛部分だけでなく、賤民の辛さや苦悩もよく描かれていて、趙盼児や顧千帆、仲間たちの行動の結果、最後に身分を覆すことが出来たのがとても感動しました。


キャスト紹介

趙盼児:リウ・イーフェイ

顧千帆:チェン・シャオ

池蟠:ダイ・シュー

1989年10月28日北京生まれ B型 180cm 体重62kg 中央戯劇学院卒業

(出演ドラマ)玫瑰之战、手术直播间、招摇(招揺)、天盛长歌(鳳凰の飛翔)、无证之罪(Burning Ice<バーニング・アイス>-無証之罪-)、他

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