《バッド・キッズ 隠秘之罪》の監督の作品。チン・ハオの役作りも必見です。(※2024/1現在wowowで視聴できます)
ロング・シーズン 長く遠い殺人(2023 全12話 原題:漫长的季节)
(キャスト)ファン・ウェイ、チン・ハオ、チェン・ミンハオ、リー・ゴンシー、
リウ・イーティエ、ジアン・チーミン、リウ・リン、他
《ロング・シーズン 長く遠い殺人》あらすじ
2016年華林市。タクシー運転手の王響(ワン・シアン)の元に同じ仕事をする義弟の龚彪(ゴン・ビアオ)が安く車を購入できたと報告してくる。王響はその車体を見て、一度水に浸かった車だと気づいて呆れる。
その後、警察から電話が入り、2人で警察署に出向く。そこで龚彪の買った車と同じナンバーの車が人を轢いた映像を見せられる。龚彪は映像の車にはステッカーが貼ってあり自分の車とは違う、自分の車は傷もないと説明する。警察は偽造ナンバーの可能性もあるが捜査のためだと言って龚彪の車を差し押さえる。龚彪は自分が犯人じゃないと被害者に証言してもらうため、王響と共に被害者の入院する病院へ行く。
しかし、被害者は病院からいなくなっていた。患者名も偽名で電話番号も現在使われていなかった。なぜ被害者は脱走したのかと不思議がる二人。被害者は消えても事故車は見つかるはずだと二人は手分けして探し回る。
そんななか知り合いの薬局に被害者と同じ左足を怪我して引きずった客が薬を買いに来る。その後ろ姿を撮った画像を見せられた王響は動きを止める。その後ろ姿には見覚えがあった…。
ネタバレなし感想
2016年と1998年のエピソードが交互に流れていくなかで、1998年に起きた殺人事件の真相が分かっていくという構成になっています。本当に【長く遠い殺人】だなと、登場人物のそれぞれの人生の流れを感じて思いました。
殺人事件やその関連の出来事が明らかになればスッキリするドラマもありますが、このドラマはそこに至る経緯が分かるにつれて私はしんどい気持ちになりました。歯車が一つ狂うと全ておかしなことになっていく悲しさを感じたり、逃れられない理不尽で酷い出来事に怒りを感じたりしました。
色々な展開があるなかで人生について考えさせられるドラマでもありました。
ネタバレあり感想
※ネタバレしてます。ご注意ください。
まずは…沈棟梁…!!!この男が全ての元凶だと…私は憎悪の気持ちでいっぱいになりました。この男が養女・沈墨に虐待していなければ、きっと彼女は殺人を犯していなかったんじゃ…?(養母が見て見ぬふりをしてたのも酷すぎる)。養父母のせいで幼い頃から相当なストレスと心の闇を抱えていて、殷紅に騙されたこと(男にあてがわれたこと)はきっかけでしかないと思いました。
男だけでなく殷紅を殺した時は驚いたけど、今までの心の鬱屈が爆発してしまったんじゃないかな…?(それにしては養父母も含めて4人?を殺すのはタガが外れすぎだけど…)。そして、王陽の死も、まさか沈墨が…?と疑ってしまいましたが、自殺を図って川に飛び込んだ彼女を救うために亡くなったんですね。でも、殺されたのではなかったとはいえ、間接的には沈墨のせい…。王陽のいるそばで川に飛びこまないで欲しかった…。王陽の両親の悲しみが伝わってきて泣けました。母は息子の死後、自死してしまったし、沈墨は直接的だけでなく間接的にも何人も殺してしまっていますね。不幸は不幸を呼ぶ、連鎖する…と悲しくなりました。
その後、王響も自死しようと線路に横になり…。その気持ち分かりました。でもまさか赤ちゃんの泣き声が聞こえてくるなんて!!王響は線路から離れ、捨てられていた赤ちゃんを愛おしそうに抱きかかえ…。人は【希望】を見つけたら生きる気力が湧くんですね。泣けました。奥さんもこの赤ちゃんを見るまで生きていたら自死することはなかったんじゃないかな?と、ふと思いました。
馬德勝の捜査への信念も良かったです。沈棟梁を何度も蹴りつけたときは気持ちが少し晴れました。龚彪は憎めないキャラではありましたが、奥さんの貯金に手を付けたり勝手な部分は嫌でした。最後、まさかあんな事故で亡くなるなんて…。宝くじが当たった喜びの直後の死…。
このドラマを観て、幸せと不幸は紙一重で、生と死も紙一重だということを思わされました。王響が息子と妻を失ったことは辛すぎるけど、沈墨を殺すことを思いとどまり、命を助けたことで不幸の連鎖は止まり、王北(拾った赤ちゃん)と希望ある未来を今後も過ごしていってほしいです。
キャスト紹介
王響:ファン・ウェイ
1962年9月2日遼寧省瀋陽市大東区生まれ B型 身長174cm 体重80kg
(出演ドラマ)立功·东北旧事、(出演映画)第二十条、他
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