中国で社会現象になったドラマ!期待以上に面白かったです。
それでも、家族~All is Well~(全46話 2019 原題:都挺好)
(キャスト)ヤオ・チェン、トニー・ヤン、ニー・ダーホン、ガオ・シン、グオ・ジンフェイ、他
《それでも、家族~All is Well~》あらすじ
サンフランシスコで暮らすスー・ミンジョー(スー家・長男)のもとに中国で暮らす母が亡くなったと知らせが入る。突然のことにショックを受け、ミンジョーは急いで中国へ帰る。
空港ではミンユー(スー家・長女)が迎えに来てくれていたが、ずっと仕事の電話をしてばかり。ミンジョーは「いったい何をしていたんだ。母さんをほっといてそれでも娘か?」と、つい怒りをぶつけてしまう。「事情があるのよ。しかたないわ」ミンユーはクールに言い返す。母は10時間麻雀をしていて、興奮して倒れ、病院まで持たなかったのだった。「父さんは取り乱して救急車を呼べず、最初に連絡したのはアメリカに住む兄さんだったのよ」こう教えたあと「斎場のプランはどこも似たり寄ったり。お金をかけるだけ無駄よ」と言い放ち、ミンジョーは妹を信じられないように見つめる。
スー家・次男のミンチョンの家に集まる兄妹と父。うなだれて横になる父をなだめるミンジョー。ミンチョンは「母さんに会いたい」と泣き出す。ミンユーはスマホをいじり、次男の嫁ジュー・リーがコーヒーを置く際に話しかけても答えない。「その態度はなんだ?」ミンチョンは怒り、スマホで嫁に【ミンユーは悪魔だ。相手にするな】とメッセージする。
父は「母さんと住んでた家には帰りたくない」と言い出す。次男ミンチョンの家も母さんの思い出があるから嫌だと言う。「実家もここも母さんを思い出すから嫌なのね。じゃあ私の家ならどう?母さんの思い出なんかない」ミンユーは提案するが父は断り、いっそ施設に入れてくれと言い出す。「そんなところに入れないさ。三人も子供がいるんだ。なんとかするよ」ミンジョーが言うと「アメリカがいいのよ、そうでしょ?」ミンユーは指摘する。「でも耳の病気のせいで飛行機に乗れないだろ?」ミンジョーの娘が生まれたときアメリカに両親を呼ぼうとしたが、母がこう言って断ったことがあったのだった。それは母が息子の嫁の面倒を見たくないから耳の病気だと嘘を言ったのだと父は明かす。「母さんには逆らえんよ。お前たち俺を責めるのか?」父はうなだれる。「父さん分かったよ。一緒に帰ろう、アメリカに」ミンジョーはこう言うが…。
ネタバレなし感想
すごく面白かったです。ドラマの出だしでスー家の母が亡くなることにより、今までどうにかバランスを保ち、程よい距離感で過ごしていた【家族】の間に問題が勃発していき、それが絶妙に気になる展開でとても楽しめて、あっという間に毎回観終わりました。
スー家の兄妹、父、兄妹の嫁など、登場人物それぞれに大変な状況が起こるので、同情したり共感したり、ひと事ではないと思ったり。家族について色々考えさせられました。
長女ミンユーの恋愛模様はドラマの中でも癒しのような部分があり、恋愛の始まり方には特に大人な展開だなぁと驚いたり(笑)ときめいたりでした。美男美女だから絵になるし素敵でした。
ネタバレあり感想
※ネタバレしてます。ご注意ください。
長女・ミンユーは有能
ミンユーは素敵な女性だと思いました。(ちょっとドライすぎると思うときはあったけど)。母親や次男ミンチョンにされた色々な出来事は酷いし、私だったら一生許さないし助けもしないかもと思うほどでしたが、ミンユーはそれでも家族を裏側から助けてばかりで。お金があるからこその行動も多かったけど、有能で仕事でも成功している面も含めて、尊敬できる女性でした。
亡くなったお母さんはミンユーを妊娠していたのがわかったせいで上海の医者と引き裂かれ、結婚生活を継続しなければならなかったからミンユーを憎んでいたと終盤わかりましたが…。旦那がいるのに上海の医者のところに行こうとするってどうなの?と思いました…。母の兄妹差別は酷すぎでしたね。特に勝手にミンユーの部屋を売って次男の家の購入資金にしたって…あり得なくてビックリでした。次男に甘々だったからあんな男になってしまったんだと腹立ちました。
次男が父と同居することになって苦労させられてるときは「ざまみろ」と思いました(笑)。ミンユーが次男にボロクソに殴られたときは衝撃でした。怖すぎる!!!こんな男にまともな奥さんや奥さん家族は勿体なさすぎると思いましたが、奥さんは愛しちゃってるんですよね…。ミンユーが次男の謝罪動画を撮ったのは、私はいいアイデアだと思いました。でも次男は尊厳を踏みにじられた的に言い出したり、周りも動画は大げさみたいに言いましたね。私はミンユーの心の安定剤になるんなら良いと思ったんですが…このへん人によって感じ方は違うのかな?
次男に投資でお金を預けて失くされた叔父がミンユーにお金を取り立てに来たときは、なんでいつもミンユーが尻ぬぐいをしなきゃいけないの…と思いました。(断ったけど)。今度は父のところにお金を要求しに行ったので、ミンユーは母がつけていた帳簿をもとに叔父夫婦に【10万元返すから今までの20万元返せ】とやり返し…これは爽快でした!ミンユーは本当に有能で小気味良い女性で素敵です。共通の敵を力を合わせてやっつけたようなこの出来事のおかげで兄妹の仲が少~し穏便になってきて…なんだかんだ言っても【家族】が仲良いのは良いことだと思いました。
次男・ミンチョンは困った男
お父さんが投資詐欺にあったばかりなのに、ミンチョンが事業の投資話に乗ったのは唖然でした。しかもお金がないから他人に借りたお金で投資するとか言い出して…。本当にこのミンチョンてキャラはありえないことばかりで…。
奥さんがミンユーから家を買うお金を借りてたのを知り、怒って奥さんを叩いたのも酷かったですね。(ミンユーのこと殴ったのも酷かったけど)。お父さんと長男で奥さんの実家に謝りに行った際、お父さんがリーリーが酷いこと言ったからだとか、妻もリーリーは我儘だと言ってましたとか、リーリーは小さい頃から甘やかされて育ったから強情な面もあるとか言い出した時は、思わず吹き出してしまいました(笑)。この場で良く言えるなと(笑)。本当にスー家の男たちはどうなっているのと思いました。(長男だけがまともって感じ)。
結局、奥さんが投資をやめてと頼んでもやめず、離婚に。あんなにラブラブだったけど、離婚は大正解というか当たり前だと思いました。女のほうが苦労するからと、家を奥さんに譲ったのはミンチョンの数少ない良かった部分でした。お父さんは相談もせず家をくれてやるとはと怒ってましたが…。(確かにお母さんが部屋を売って作ったお金で買った家だから分かるけど)。
その後、事業の投資話は詐欺だったと分かり…すべて失ったミンチョン。今までしてきたことの報いだと私は思いました。大事な人からの信頼や大金や仕事を失って、やっと真人間に生まれ変わろうとするミンチョンを見て、ここまで犠牲にしないとまともになれないのか…と呆れたり。でも生まれ変われない人も沢山いるだろうから、変われるならマシなのかな。
お父さんは曲者だけど…
お父さんは奥さんに押し付けられて生きてきた分、奥さんが亡くなった後はずいぶん羽を伸ばしましたね。投資詐欺にあったり、必要以上に広い家を子供たちに買ってもらったり(子供達もお金大変なのに)、信じていた家政婦にお金使いこまれたり、しかもその相手と結婚すると言い出したり、まぁ色々な出来事がありました(笑)。
「孤独だったから女に騙されたんだ」とニエさんは指摘していましたが、このへん考えさせられました。私から見たらスー家の兄妹たちは十分お父さんの世話してると思ったけど(←金銭面や問題解決に動いたり短期間でも一緒に住んだり)でも、確かに【心】の寄り添いは足りてなかったのかも…。
ニエさんが目の前で倒れ、付き添った病院で自分もアルツハイマーと診断され…。物事がきちんと理解できるうちに遺言を残したいと子供たちを集めましたが、そこでの【内容】は驚きました。遺産の取り分はミンユーが一番多く、ミンチョンを一番少なくするのが当然だと言ったときは、お父さん冷静に公平にちゃんと判断してるな~と感心したのに…結局は一番お金に困っているミンチョンに全額渡すと言うなんて!!確かに今、ミンチョンが一番大変な状況で親としては一番心配な子供だとは思うけど…。まともになろうと本人は頑張ってる最中だけど、いつまでもミンチョンは親に心配をかける存在なんだなぁと妙にしみじみしてしまいました。
最終回について
お父さんがミンユーの学生時代の参考書を買うためにヘソクリしてたっていうのは現実でもそうだったってことかな?お母さんの陰に隠れて情けないお父さんのように見えていたけど、実はちゃんとミンユーのことを大事に思ってくれてたんですね。アルツハイマーは憎い病気だけど、このことを知ることができたのはミンユーにとって良かったと思いました。
兄妹みんなで年始の挨拶を仲良くテレビ電話でする姿は、少し前の関係からは考えられないことでしたね。お母さんが亡くなり、お父さんが病気になって、やっと家族になれたというのが感慨深かったです。
最後の、実家のなかでのお母さんと子供の頃のミンユーのエピソードは実際あったことを思いだしたってことでいいのかな?お母さんはミンチョンばかり可愛がって自分には酷い扱いをしてたけど、自分をかばってミンチョンを叱ってくれたときもあったって。(ミンユーの願望の幻じゃないよね?)
少なかったかもしれないけど子供の頃にきちんと両親から愛情を受けていたと思い出すことが出来て、ミンユーの心の傷も回復して、家族再生もできて、本当に良かったです。お父さんの病状は気になるけど、仲が回復したスー家兄妹なら力を合わせて乗り越えていけそうですね。
キャスト紹介
スー・ミンユー:ヤオ・チェン
1979年10月5日福建省福州市生まれ O型 身長169cm 体重49kg 北京電影学院卒業(出演ドラマ)武林外传、潜伏、离婚律师、他
ヤオ・チェンの父は電車の運転士で母は郵便局員。北京電影学院演技科の同級生と結婚後、離婚。2012年中国の写真家の男性と再婚。2013年7月に女の子を出産。
シー・ティエンドン:トニー・ヤン
スー・ダーチャン(父さん):ニー・ダーホン
1960年4月18日黒竜江省ハルビン市生まれ AB型 中央戯劇学院卒業(出演ドラマ)谋圣鬼谷子(鬼谷子-聖なる謀-)、我的真朋友(マイ・ディア・フレンド~恋するコンシェルジュ)、将夜(将夜 戦乱の帝国)、天盛长歌(鳳凰の飛翔)、恋爱先生(恋愛先生 MR・RIGHT)、镖门(鏢門(ひょうもん) Great Protector)、他
両親がハルビン戯劇院の俳優だったため俳優を志す。最初の年は演劇大学に不合格し、一年ほど黒竜江省の演劇劇場で学ぶ。その後、1982年中央戯劇学院に合格し入学する。
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